「業務用エアコンの掃除って、どこまで自分でやっていいんですか」
点検や工事でお伺いしたときに、お客様からいただくご質問です。
自分でやっていいのは、フィルターとパネルの拭き掃除までです。機械の中には手を入れないでください。メーカーの取扱説明書でも、お客様ご自身での分解や修理はしないよう求めています。

結論:自分でやるのはフィルターとパネルの拭き掃除までです
お客様ご自身でやっていただけるのは、フィルターの掃除と、パネルの拭き掃除までです。中は触らないでください。
代表・大津広一の現場ノート
パネルとは、天井や壁に付いている室内機のうち、外から見えている表の部分のことです。空気を吸い込む「吸込グリル」と、そのまわりの枠を指しています。フィルターは、吸込グリルの内側に付いている網のことです。
| 場所 | 自分で掃除してよいか |
|---|---|
| フィルター | できます(掃除機で吸う・水洗い) |
| パネル(吸込グリル・枠) | できます(布での拭き掃除) |
| 送風ファン・熱交換器など機械の中 | 触らないでください |
| 室外機のまわり | 目で見て確かめるだけなら、できます |
ダイキン工業のコラム(2026年10月確認)でも、自分で掃除できるのは「フィルターとエアコンの外装」とされていて、弊社が現場でお伝えしている線と同じところに引かれています。
機械の中を触ってはいけない理由
業務用エアコンの中には、濡らしてはいけない部分と、高速で回る部品が詰まっています。知識がないまま手を入れると、壊してしまうか、けがをするおそれがあります。
送風ファンとは、室内機の中で回りながら風を送り出している羽根車のことです。熱交換器とは、冷媒(エアコンの中を流れて熱を運ぶガス)が通っている金属のひだで、ここで空気を冷やしたり温めたりしています。どちらもフィルターを外すと奥に見えますが、見えるからといって手を入れていい場所ではありません。
三菱電機のパッケージエアコン室内ユニットの取扱説明書(2026年10月確認)では、お客様ご自身で分解や修理をしないよう求めています。不備があれば、感電や火災、水漏れにつながるためです。エアコン本体を水洗いしないこと、清掃のときは運転を止めて電源を切ることも、注意書きとして並んでいます。
ダイキン工業のコラムによると、業務用は家庭用よりも構造が複雑で、濡らしてはいけない場所が多くあります。市販のエアコンクリーナーを使うと、その成分が中に残ってしまい、カビや悪臭のもとになる場合もあるそうです。
家庭用のエアコンなら、市販のスプレーで中を洗う方もいらっしゃいます。業務用では同じことをしないでください。
自分で掃除して、かえって壊してしまった例
弊社がお伺いした現場にも、送風ファンを掃除しようとして壊してしまったところがあります。
代表・大津広一の現場ノート
フィルターを外すと、奥にほこりの付いた送風ファンが見えます。せっかくだから一緒に拭いておこう、と思われるのは自然なことです。
ただ、送風ファンはメーカーも注意を促している部品です。三菱電機の取扱説明書には、ファンやファンモーターに触れるとけがや感電の原因になること、中でファンが高速で回っているため吸込口や吹出口に指や棒を入れないことが、注意として書かれています。
掃除のつもりで手を入れて壊してしまうと、その日から修理の手配をすることになります。ファンの汚れが気になったら、触る前にご相談ください。

業者を呼んでほしいサイン:臭い・水・効き
臭いが取れない、水が垂れる、効きが落ちた。どれか1つでも出てきたら、フィルター掃除で何とかできる範囲を超えています。
代表・大津広一の現場ノート
臭いが取れない
フィルターを洗っても臭いが残るのであれば、臭いのもとはフィルターより奥の、お客様の手が届かない場所にあります。
臭いの原因については、エアコンから臭いがする、そんな時の原因と対処法でも詳しくご説明しています。
水が垂れる
ドレンとは、冷房のときに室内機の中で出る結露水を、外へ流すための排水のことです。三菱電機の取扱説明書には、ほこりなどでドレンが詰まると水が垂れて、下にある物を濡らしてしまうことがあると書かれています。
水が垂れてきたら、下にある商品や机を移してから、すぐにご連絡ください。くわしくはエアコンの水漏れのページもご覧ください。
効きが落ちた
フィルターをきれいにしても冷えない、暖まらない。そういうときは、中の汚れか、別の不具合を疑うことになります。ダイキン工業のコラムでも、フィルター掃除をしても効きが良くならないときや、異音・異臭がするときは、事業者に依頼するよう勧めています。
冷えないときに確かめていただきたいことは、業務用エアコンが冷えない時の原因と応急処置にまとめました。
法律で決まっている「簡易点検」は、お客様ご自身でもできます
業務用エアコンを使っている事業者には、3か月に1回以上の簡易点検が法律で求められています。目で見て確かめる点検なので、お客様ご自身でも行うことができます。
簡易点検とは、フロン排出抑制法にもとづいて、業務用エアコンの冷媒(フロン類)が漏れていないかを、目や耳で確かめる点検のことです。掃除とは別のものですが、お客様ご自身でできることの1つなので、あわせてご紹介します。
環境省・経済産業省の説明資料(令和3年度)では、次のように定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 業務用の冷凍空調機器(業務用エアコンを含む)すべて |
| 頻度 | 3か月に1回以上 |
| 誰が行うか | 具体的な限定はありません |
| 記録すること | 実施した日と、実施したかどうか |
環境省の「簡易点検の手引き(業務用エアコン編)」(2014年10月 第1版)では、確かめるところとして次のような例が挙げられています。
- 室外機から異常な振動や運転音がしていないか
- 室外機やそのまわりに、油のにじみがないか
- 室外機にキズや、熱交換器の腐食・錆がないか
- 室内機の熱交換器に、霜が付いていないか
なお、圧縮機の電動機の定格出力が7.5kW以上の機器は、これとは別に「定期点検」が必要です。空調機器の場合、50kW未満なら3年に1回以上、50kW以上なら1年に1回以上で、十分な知見を持つ人が行うか、立ち会うことになっています。
点検とメンテナンスの考え方は、業務用エアコンの定期メンテナンスでわかる「壊れる前兆」でもご紹介しました。
高い場所の機械は、無理に自分でやらないでください
天井が高い場所の室内機は、フィルター掃除そのものが危ない作業になります。脚立で無理なく届かない高さなら、業者に任せてください。
愛知県豊田市の工場では、天井から吊るす形の室内機が、4mを超える高さに取り付けられていました。油の多い現場で、エアコンが油を吸い込まないように高い位置に付けていたのです。
ところが、その高さのせいでフィルターの掃除ができず、結果として故障につながってしまいました。入れ替えのときには1m下げて3mの高さに付け直し、脚立でフィルター掃除ができるようにしています。
→ 施工実績:豊田市での取付高さが4m超えのフィルター清掃の出来ない天吊形の更新工事
ダイキン工業のコラムも、天井埋込形や天井吊形のフィルターの取り外しは高所での作業になるため、落ちてけがをしないよう注意を呼びかけています。
掃除がしやすい機械を選ぶという方法もあります
自動昇降パネルとは、リモコンの操作で吸込グリルとフィルターが手元の高さまで降りてくるパネルのことです。脚立に上らずにフィルターを外せるようになります。
日進市の理美容院では、入れ替えのときに自動昇降パネルの仕様に変えました。脚立を使わずにフィルターのお掃除ができるので、安心して作業していただけるようになっています。
→ 施工実績:日進市の理美容院で、自動昇降パネルの仕様に入れ替えた工事

業者に頼む場合の費用は、現場によって変わります
洗浄や点検の費用は現場によって変わるため、一律の金額はお示ししていません。
お使いのエアコンと台数をお知らせいただければ、「お客様の現場だといくらになるか」をお出しします。現場を拝見したうえでのお見積もりは無料です。
暖房を使い始める前に、一度ご相談ください
冬の暖房シーズンに入る前は、フィルターと中の汚れを見直すのにちょうどよい時期です。
ダイキン工業のコラムでは、業者への依頼は繁忙期を避けて春や秋にすると、費用も抑えやすく、すぐに対応してもらいやすいとしています。エアコンをいちばん使う時期になってから慌てて頼むと、止めたくない時期に止めることにもなりかねません。
中を見てみて、洗浄より買い替えのほうがよい状態だと分かったときは、お使いいただける補助金がないかもあわせてお調べします。今年度の受付が終わっていても、翌年度にあらためて募集される可能性があります。
秋に確かめておきたいことは、業務用エアコンの秋メンテナンスと台風・停電対策にもまとめました。
愛知・名古屋の業務用エアコンの掃除・点検のご相談
フィルターの外し方が分からない、中の汚れが気になる、といったご相談からお受けしています。
飲食店の客席や厨房、事務所、工場の作業場まで、東海4県で業務用エアコンの取り付けと修理を手がけてきました。お客様からいただいた声も掲載しています。
→ お客様の声:飲食チェーン店の客席のエアコン
よくあるご質問
Q1. 業務用エアコンの掃除は自分でどこまでできますか?
フィルターの掃除と、パネルの拭き掃除までです。送風ファンや熱交換器など、機械の中には触らないでください。メーカーの取扱説明書でも、お客様ご自身での分解や修理はしないよう求めています。
Q2. 業務用エアコンの中を市販のスプレーで掃除してもいいですか?
お勧めしません。業務用エアコンは家庭用より構造が複雑で、濡らしてはいけない場所が多くあります。洗浄剤の成分が中に残り、カビや臭いのもとになる場合もあります。中の汚れが気になるときは、業者にご相談ください。
Q3. 自分で掃除をして壊れることはありますか?
あります。弊社では、送風ファンを掃除しようとして壊してしまった現場がありました。フィルターを外すとファンが見えますが、触らずにご相談ください。
Q4. 業務用エアコンの掃除を業者に頼むべきサインは何ですか?
臭いが取れない、水が垂れる、効きが落ちた、のどれかが出たときです。フィルター掃除をしても良くならない場合は、汚れや不具合が機械の中にあると考えられます。
Q5. 業務用エアコンの点検は法律で義務になっていますか?
フロン排出抑制法により、業務用エアコンを使う事業者には3か月に1回以上の簡易点検が求められています。室外機の異音や油のにじみなどを目で見て確かめる点検で、行う人に具体的な限定はありません。一定以上の出力の機器は、これとは別に定期点検が必要です。
Q6. 天井が高くてフィルターに手が届きません。どうすればいいですか?
無理に作業をせず、業者にご相談ください。弊社では、4mを超える高さで掃除ができずに故障した室内機を、入れ替えのときに3mの高さに下げて付け直した例があります。
Q7. 見積もりは無料ですか?
はい、現場確認と概算のお見積もりは無料で承ります(愛知・岐阜・三重・静岡の東海4県)。費用は現場によって変わるため、拝見したうえでお出しします。
お問い合わせ
掃除や点検についてのご相談は、お気軽にどうぞ。
- お問い合わせフォーム:https://www.otsuenergy.com/service/contact/
- お電話:0120-96-3232(受付時間 9:00〜18:00)
- 対応エリア:愛知・岐阜・三重・静岡
- 出張費:東海4県は基本サービス
- 修理保証:1年間の作業保証
監修者プロフィール
大津 広一(おおつ ひろかず)
- オオツエネルギー株式会社 代表取締役
- 1級管工事施工管理技士
- 業務用エアコン業界 15年以上
- 2025年 業務用エアコン年間販売台数 1,000台
オオツエネルギーからの
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